古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

あいさつ。妖怪について。

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ようこそ!


 よくお越し下さいました。

 こちらは妖怪しか描かない画家が、2016年から4年かけて書き溜めた「妖怪画」とその「怪説」を紹介するブログ形式の展覧会場です。

 コロナ禍真っ只中、横浜みなとみらいの「みなとみらいギャラリー」で開催していた「古今妖怪事展」の展示作品の紹介ページでもあります。「妖怪画」と「怪説」は、《索引》へどうぞ。

 以下、挨拶でございます。

 

「ご挨拶」

 古代、人間の脳は「目の前に広がる世界」を認知し、理解し、活用するために発達したのだが、それだけでは足りなかったらしく「まだ世の中に存在しないもの」「存在が確認できないもの」すらも「認知」または「想像・創造」し理解し、場合によっては活用さえしてきた。「タイムマシン」「宇宙人」などがいい例となるだろう。活用は主に脳内での話であるが、日常生活の行動に影響を与えた場合もある。

 妖怪もまた人間の脳の中で生成されたものである。脳内のみの存在にもかかわらず、我々は妖怪に様々な性質や設定を追加し、日生活の行動にもその影響が出るほどである。それは時には合理的ではない。夜の墓場を早足で歩きぬける行為に根拠はあるか?学校のトイレでおまじないをすれば、本当に花子さんが出るのだろうか?

 世界に対する科学的理解は加速し、世界のモデルはデータ化され、掌に収まる端末でデータの世界に繋がることが出来るこの驚異の時代にも「脳内世界の住人」は健在で、それどころか子供が夢中になって見つめる端末=スマホの中ではモンスター等仮想のキャラクターたちが命を与えられて活躍している。妖怪も健在で、アニメやゲームの手助けもあってまだその数を増やし続けている!

 妖怪に魅せられてはや38年。芸大を出てアルバイト感覚で妖怪本の挿絵を描き22年。莫大なニースがあるわけではないから生活を預けるわけにもいかず、収入源を別に持ったのが幸いと好き放題。本を読み旅行をし妖怪を描いている。頼まれても居ないのに描いているから芸術としての純度は高い…気もする。(もし締め切りに追われダメだしされながら描くような状態なら到底創作を好きにはなれないので永遠のアマチュアなのかも知れない。でもすごく売れたらわからないが)

 とにかく私は夢中になった。妖怪を科学・哲学・心理学・歴史、様々な角度から分析し新たな姿を見出す。ここに新たに100体そんな妖怪が集まったので人生の1時間ほどを怪しい気分で過ごしてもらいたい。そしてまた何事もない日常に戻っていただきたい。(怪奇体験なんてそんなものだ)

 また、ブログの形で「ネット会場」を準備した。アマチュアでも助平心はしっかり持っているので、できる事なら多くの人に来てもらいたい。興味本位に覗いて、少しの間だけ妙な気分になってもらいたい。それが私の希望である。

020年5月31日

増田よしはる