古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

136 #風の神

桃仙人夜話「絵本百物語」によると、風に乗って彷徨い、人を見れば口から黄色い風を吹き掛け、流行り風邪に罹患させるそうである。また天地の間の気を「風」と言い、万物の滞りを促す自然の道具と定義する。そして、俗に「風の神」というものは邪気で、もの…

135 #五徳猫

鳥山石燕の百鬼徒然袋に描かれる。五徳(ガスコンロの鍋を乗せるあの部分)を角のように頭に乗せ、火吹き竹を持って囲炉裏の火を起こす化け猫(ただし、言われないと猫には見えない)。解説は「七徳の舞を二つ忘れて「五徳の官者」と呼ばれた話(徒然草の信濃前…

134 #舞い首

神奈川は舞鶴の伝承。Wikipediaによると、鎌倉時代、小三太、又重、悪五郎という3人の武士が祭の日、酒の勢いで口論となり、刀の斬り合いとなり、お互いに頸をはねあい、海に落ちた。以来この海では3人の首が食い争い、夜には火炎を吹き、昼には海上に巴模様…

133 #於菊虫

有名な国民の怪談、「番町皿屋敷」のスピンオフのような妖怪。 実在する、ジャコウアゲハの蛹がそうである、と言われている。 日本中に伝わる「お菊伝説」。家宝の皿を割ってしまった女中のお菊は、手打ちにあって屋敷の井戸に投げ込まれる。全国に似た話が…

132 #高女

鳥山石燕の画図百鬼夜行シリーズに姿がある妖怪。これといった解説もなく、結び付くような伝承も少ない。遊廓に関する寓意画であるとする分析もあるが、この説を採ると沢山の妖怪が遊廓に絡んでいて、フロイトじゃないんだから、と正直思う。戦後には、何名…