古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2021-01-01から1年間の記事一覧

110 #がしゃどくろ 餓者髑髏

詳しい解説は情熱溢れる昨今の妖怪研究家の皆様にお任せしつつ。 妖怪は本質的に、必ず誰かが創作したものだ。 一から創造するにせよ、当時の都市伝説に名前を与えただけにせよ、必ずそこに産みの親、ないし名付け親がいる。基本は一人の人間だ。 だから、創…

109 #泥田坊

酒浸りのダメ息子が、売り払ってしまった田んぼに夜な夜な現れ、「田をかえせ!」と叫ぶ。親父の怨霊が妖怪化したものである。一つ目で、泥まみれである。 愛好家、研究家達の手によってかなり研究、分析が進んでおり、鳥山石燕が創作した、遊郭を風刺する妖…

108 #歯黒べったり

お歯黒で真っ黒になった口、以外はのっぺらぼうの顔を、人に見せて驚かせる妖怪。背を向けて登場し、振り向けばもうクライマックス。真っ黒な口でゲラゲラ笑うと言う、洗練された「脅かしのテクニック」を使う。 江戸時代後期の書『絵本百物語』にて紹介され…

107 #大百足

見た目がアレなもので、各地に伝承が残っている虫。 実際のものでも最大のものになると、40㎝のものも居るが、これが妖怪となると、一気に3mや10mにサイズアップする。 中でも最大を誇るものは、やはり俵藤太が退治したとされる大百足。幅15キロの比良山地を…

106 #水虎 すいこ

かの中国では膝に虎のような爪を生やした小型のカッパ、本邦ではカッパとほぼ同一なものとして扱われる存在。膝にとどまらず、なんとなく虎っぽい河童を目指して描いたら、なんだか蛇っぽくもなった。 カッパと水虎は違うのか? まあ名称は違うのだから、本…

105 #女郎蜘蛛 (#絡新婦)

山の廃屋で、武士が児を抱いた女に遭う。女は武士を指差し、児に「あれはお前の父親じゃ、抱かれておいで」と言って這わせる。武士が睨むと児は退散し、今度は女が襲ってくる。女を袈裟懸けに斬りつけると「あ」と言って壁に這い上がり、姿を消した…。翌朝天…

104 #輪入道

鳥山石燕の画図百鬼夜行等で紹介される妖怪。 車輪の中央に入道の顔があり、夜の街を転がるが、見ると子供を拐われたりする。片輪車と同じような物語を共有する。 下に流水紋を描き、輪入道の車輪とあわせて、「片輪車紋様」を作った。さて、妖怪絵師を悩ま…

103 # カシマレイコ

全国的に有名な妖怪の都市伝説。 曰く、眼鏡をかけた片足の女性。バレリーナを目指していたが事故で片足を失い、自殺した。夕刻、この女性と出会うと、夜中に鎌で足を刈り取りに現れる。「仮面のか、死人のし、悪魔のま」と唱えると助かる。 また曰く、カシ…

102 #八尺様

現代妖怪。最近は噂のような「都市伝説」から生まれるのではなく、掲示板の書き込みで一撃デビューする妖怪も増えた。もちろんそれなりの「実力」は必要となるが。 特に近年は、「田舎の伝承系」の「ヒット作」が目立ってきた。最近の妖怪は、物語とセットに…