神奈川は舞鶴の伝承。Wikipediaによると、鎌倉時代、小三太、又重、悪五郎という3人の武士が祭の日、酒の勢いで口論となり、刀の斬り合いとなり、お互いに頸をはねあい、海に落ちた。以来この海では3人の首が食い争い、夜には火炎を吹き、昼には海上に巴模様の波を起こした。淵は巴が淵と名づけられた。
また別の話では、3人は博打勝負で捕らえられて、死罪となり、海に流された3人の首が口から火を吹きながら互いを罵り合っているそうである。
三つ巴、と言う図式が面白い。二つの頸ではいずれ決着が着いてしまう。三人が仲が悪い場合、協力はあり得ないので、常に二人が戦い、裏で一人が体力を回復でき、永久機関のように喧嘩を続けられるのだろうか。
三竦み、と言う言葉もある。ABCの三名が睨み合うが、各人一方には勝つが他方には負ける。この関係があるが上に、一人を倒すと、自分では勝てない相手との一対一になるため、動きがとれず、睨み合いが続く。
三元論とでも言うのか、物事を三つの要素で捉える考え方がある。行政立法司法、家計企業政府、天地人、大中小、雪月花等である。三者は並立の関係にあり、バランスが取れている。
かの三国志も諸葛亮の「天下三分の計」により、誰が天下を取るでもない時代が出来上がる話である。(流石に繁忙か)
三人の争いは、終わることがない。無限であり、故に秩序でもある。そして争いの絶えない世の中の縮図でもあるかもしれない。そんな啓示を与えてくれる妖怪だろうか。