古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

131 #垢舐め

江戸時代元禄期辺りから描かれたり語られたりしたらしい妖怪。姿に多少の違いはあるが、風呂場に現れ、垢を舐めて食べる。 率直に言って、気持ち悪い。 江戸の町は享保期には百万人規模だった。公衆衛生は不十分で、大通りは下水の匂いが酷かった、なんて話…

130 #死神

桃仙人夜話「絵本百物語」に紹介される怪。 死んだ者の悪念が死んだ場所などに留まり、生者を引っ張り、同じような死に方をさせる。 つまり現在でもよくある怪談の先駆け的な存在。縊鬼や七人ミサキと同類の怪異だ。 「絵本百物語」の挿絵では、軒の下に人を…

129 #川獺 かわうそ

子供の姿に化けて、酒を買いに来る妖怪。 今なら即NGである。現在は、逆に、子供が大人のふりをして酒を買いに来る時代だ。 舌が短く、言葉は上手に話せない。 「俺だ」と言えずに「あわや」とか「うわや」と言う。「どこから来た」と聞かれると、「かわい」…