桃仙人夜話「絵本百物語」に紹介される怪。
死んだ者の悪念が死んだ場所などに留まり、生者を引っ張り、同じような死に方をさせる。
つまり現在でもよくある怪談の先駆け的な存在。縊鬼や七人ミサキと同類の怪異だ。
「絵本百物語」の挿絵では、軒の下に人を誘っているような姿で描かれている。「軒の下で首を吊る」イメージを意識していると思われる。
スポーツ競技の世界では、世界新記録が出ると、今までの記録を上回る結果を出す選手が急に増えると言う。人間、誰かが何かを為すと、「それが出来る」ことを知った他者は、それだけでその行為に対するプレッシャーが弱まり、実行率が上がり、同じように成功する者が増えるそうだ。
犯罪や自殺に於いても同様の事実が認められる。
何度も事件の起きる物件がある。
話題性の有る事件には、模倣犯が必ず現れる。
日本各地に自殺の名所がある。
死神の仕業かどうかは置いておいて、「死神現象」は、世界の法則の一つであるようだ。
死神、と言えば落語の世界でも有名だ。命を火の灯ったローソクで表現する世界観はとても面白い。画面をローソクで埋め尽くすアイデアもあったが、あまり描き込みたくない性格なので、「一、二、三、死」と洒落にした。