
私は神奈川県に住んでいるが、この県は一つ目小僧の伝承の多い県であるらしい。
12月や2月の8日に川の向こう側や山から現れ、村の家々を訪ねてまわる。良くないものを運んでくることが多いので、村では「目籠」を掲げて追い払う。「目籠」とは目を荒く編んだ籠で、「目の数が多いから」一つ目小僧は退散すると言う。目の形は六芒星になり、西洋でも魔除けに使うから、何か通じるものを感じる。日本ではこの模様をを「籠目紋様」という。
神奈川県各地に、ちょっとずつ違う内容の伝承が残っている。ある地域では一つ目小僧は帳面を持っていて、ここに名前を書かれると良くないことが起こるなど言われる。
みかり婆さんは、単独で現れる場合もあるが、大概は一つ目小僧と連れだって現れる。こちらは団子を戸口に刺しておくと去っていく。
日本人の、 来訪者に対する心情が良く表れている。基本的には関わりたくない。もてなす場合もあるが(これは外の者が新しい何かを村に与えてくれることを期待しての対応であり)、引き留めはしない。通り過ぎてもらう。それが村と言う孤立した社会を、運営していく人々の知恵であり、経験でもあったのだろう。
「たくさんの目を嫌う」ので、服の柄に目を連想するような「格子」の類いは避けた。縞模様を基調にしている。
「籠目紋様」を、装飾に描いた。目籠を描くのはやめにした。絵が図鑑みたいに、説明的になりすぎてしまう。








