古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2020-05-20から1日間の記事一覧

#094 鵺 ぬえ

鵺 たった一回出現しただけなのに、日本で知らない人がいないのではないかと言うくらい有名になっている妖怪。一方退治した人物が源頼政だと云うのは鵺を知る人の何割が知っているだろうか(私もメモを見ながら書いた)。基本的には英雄伝説を作るための妖怪…

#093 片輪車 かたわぐるま

片輪車 実は意外と少ないのが「恐ろしい妖怪」。しかしこの片輪車だけは非常に恐ろしい妖怪だと言っていい。夜な夜な女の乗った片輪の車が炎に包まれながら市中を徘徊する。子供をさらう事がある。見てしまうだけでも祟るし、そのことを口外しようものなら更…

#092 豆腐小僧

豆腐小僧 妖怪だと言われなければ豆腐を持ったただの子供だ。幕末から明治時代にかけて「キャラクター」として愛され、錦絵、凧の絵、双六などの玩具のイラストや、狂歌や川柳、読み物などの題材として活躍した。 さげてゆく おかべの雨の ふりかへり にらむ…

#091 うその精霊

うその精霊 川崎市市民ミュージアムが所蔵する「化物絵巻」には、おおむね『化物尽くし』と同じ妖怪が掲載されているが、この「うその精霊」だけは別である。この絵巻でしか見ることができない。「うそ」とは鳥の一種。「鷽」である。元の絵でも服の柄として…