古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2020-05-16から1日間の記事一覧

#084 家鳴り

家鳴り 家をギシギシきしませる妖怪。昔の木造建築は古くなるとギシギシいいだす物だが、それは住人の体重の所為でもなければ大工の所為でもない。この「家鳴り」の所為なのだ。最近の鉄筋コンクリートの家にはほとんど出ないが、出るときには多数の死者を出…

#083 おそふ

おそふ この妖怪絵巻にのみ登場する妖怪。したがって伝承も何もないが、描かれたということは少なくとも作者にとっては「おそふ」は(この絵巻に共に描いたほかの妖怪と同じぐらいには)確かな存在だったということになる。同時に名前と姿だけで他人にも「何…

#082 大坊主

大坊主 僧侶の姿をした大きな犬が「しらちご」に何か講義でもしているように描かれる。扇子を立てて口を開く姿は講談師のようだ。 いつの時代も教育行動に熱心すぎる教師は周囲から奇異の目で見られることが多い。出来ない生徒との間には「支配・非支配」の…

#081 白児 しらちご

白児 大体は「犬神」の脇に描かれる妖怪で、独立した存在としての個性を持っていないようだ。多くの図版で「犬神」に従うもの、という性格が表現されている。大体は「頭のよくなさそうな子供の姿」を与えられている。 この『化物尽くし』の白児は、少し様子…