古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2020-04-22から1日間の記事一覧

#034 馬鹿 うましか

馬鹿 馬と鹿、どっちにも似ていない姿で描かれている。 生き馬の目を抜く世知辛い世間。「ウマくやらないと馬脚を現し馬鹿を見るよ」と忠告しても相手は馬の耳に念仏。失敗したところで馬耳東風。馬鹿につける薬はなかったか、しかし馬鹿と鋏は使いようだか…

#033 あすこここ

あすこここ 名前の意味は、「あっちこっち」「あちらにいたかと思えばこちらにも」という意味。瞬間移動する妖怪なのか、それともあちらこちらにいる妖怪なのか。黒い雲か煙の中に複数の妖体が見え隠れする絵が描かれている。各妖体の姿形はバラバラだ。 こ…

#032 にがわらい

にがわらい 苦笑いしている妖怪。苦笑いには、「不本意な状況を受け入れる」感情が伴う。「苦い」気持ちを「笑いで」乗り越えるわけだが、「笑い飛ばす」ほどの力がない。「苦味は残る」のだ。そのあたりが妖怪的なのだろうか。 松井家の百鬼夜行絵巻は、絵…

#031 逆髪

逆髪 熊本県八代市にある松井家に伝わる「百鬼夜行絵巻」ほど、ユニークな妖怪絵巻もないのではないか。伝説も知名度もない「謎の妖怪」のオンパレードである。日本古来の存在ではないが、魅力的な妖怪たちが多数描かれている。 ここからは自分なりの解釈で…