古今妖怪図鑑

妖怪しか描かず、妖怪を哲学する、妖怪画家のブログ。妖怪しか描きませんし、妖怪の事しか書きません。

2020-05-06から1日間の記事一覧

#069 馬肝入道 ばっかんにゅうどう

馬肝入道 姿からこの妖怪の正体を探るのは困難だろうか。黒衣で赤い目の病的な老人のように描かれている。入道と言っているが、その服装はむしろカトリックの神父を連想させる。そのあたりが絵解きの要だろうか? 馬肝はその名の通り馬の肝。漢方薬の名前で…

♯番外編 アマビエ考

アマビエについて書こう。 1846年の瓦版に登場する。 …毎晩海が光るため役人が確かめにいったところ、姿を現し豊作の予言と、もし疫病が流行った場合は自分の姿を写し、人々に見せなさいと言ったとか。 遡ること2年の1844年にはアマヒコと言うタコのような怪…

#068 汐吹 しおふき

汐吹 ここからは、家国内有数の妖怪資料の収集家、湯本豪一氏が所有する「化物づくし」から妖怪を紹介する。描かれた妖怪はすべて創作(そもそも妖怪はその全てが創作かもしれないが、過去に類似の妖怪が全くいない)で、しかもかなり風刺と諧謔が利いている…